For job hunter 特別企画記事







































これまで日本のインテリアデザインは戦後、バブル期、バブル以降から2000年代と、それぞれの時代で革新的な店舗空間や、デザインを生み出すデザイナーが生まれてきた。(詳しくは、日本インテリアデザインの60年を振り返った、商店建築2015年8〜9月号「PLAY BACK 60 YEARS」をどうぞ)。















現在のインテリアデザイン業界は、リーマンショック後の長い景気低迷の影響を受けながらも、2020年東京オリンピックに向けて徐々に景気が上向いてきているのでは、と感じられる場面も増えてきた。しかし、建築やデザインの現場では、仕事が増える一方で、「人手が足りない」という声がよく聞かれる。ここに、これからのインテリアデザイン業界を背負って立つ、若手デザイナーたちの活躍の舞台が用意されているように思う。















本項では、インテリアデザインに関連する、二つの会社に、どのような人材を求めているか話を聞いた。デザイン業界を志す学生、転職によって次のステージへ進もうとしているデザイナー、まだ何をすべきか迷っている貴方の指針の一つとしていただきたい。







 





















































































目黒にある、同社のショップ&オフィス






















東京・目黒にオフィス&ショップを構える、COMPLEX UNIVERSAL FURNITURE SUPPLY(コンプレックス ユニバーサル ファニチャー サプライ)。アメリカやヨーロッパでセレクトしたインテリアアイテムの販売を始め、さまざまな空間に特注家具やオリジナル家具の提案、設計・施工を行う。同社の企画営業を主に務める取締役の熱田聡さんと、川島直弥さんに、仕事内容や、スタッフの働きぶり、若手に期待することなどを聞いた。















「弊社は、家具の販売のほか、物販店や飲食店、住宅を中心に、建築家やインテリアデザイナーからの依頼でつくるコントラクト家具の設計・製作をしています。海外の家具の買い付けは、代表がメインで行います。一方、国内の家具設計・施工は日本全国にわたり、営業やデザイナーが各地に出向いてやり取りをしています」(熱田氏)















現在のスタッフは全部で12名。ショップの担当者、コントラクト家具の営業、設計、輸入商材の管理、プレス担当、経理といった内訳だ。熱田さんたち営業の主な仕事は、インテリアデザイナーの要望を聞き、そのイメージを社内のデザイナーと共に伝えて形にしていくこと。















「例えば、ブルックリン風のカフェを設計しているデザイナーから、そこに合ったカウンターとイスがほしいという依頼を受けて、イメージ写真やパースを元に、どのようなものを求めているかの詳細を明確にしていきます」(熱田氏)。受け取った依頼内容を社内の家具デザインチームに伝え、提案と検討を繰り返していく。























 







































インテリアアイテムの販売を始め、特注家具やオリジナル家具の提案、設計・施工を行う






























「私たちは“家具屋”ですが、依頼主の建築家やインテリアデザイナーが求めるデザインにすぐ応えるために、彼らと同等かそれ以上に情報を持っていなければいけない場面が多々あります。今どんな店が流行っているのか、最新の店舗がどんなデザインか、一方で当然、家具デザインの知識も求められる」(川島氏)















同社の各スタッフはそれぞれが家具が好きで、日常の業務が自らの趣味嗜好を掘り下げていくことにも通じているという。メインで担当している業務はあるものの、営業や設計などの枠組みを超えて、良い家具をつくって提供することを目的に突き進んでいく姿は、与えられた仕事をただこなすだけではない、自らの興味のあることに貪欲な能動的な態度といえる。















「若手には、ぜひ、自分の好きなことやそれ以外にもアンテナをはって、情報を得てほしいと思っています。この仕事は、今が旬のデザインや、最前線のデザイナーの考えに触れることができる。国内外の情報も得やすい。積極的に取り組むほど、若手であっても自ずと活躍の機会も増えていくと思います」(熱田氏)















インテリアデザイン業界という、世間的にはマイノリティーでかつニッチな業種であるからこそ、自らの興味のあることを積極的に取り込みながら進んでいくことが仕事のエネルギー源となり、新たなステージへとつながっていく。これは、どのジャンルのデザインの仕事であっても同じことがいえるのではないだろうか。













































































名古屋のステーキレストラン「Baron the steak」。溶岩石や木といった火と関連性の強い素材を多用した






























名古屋のヘッドオフィスと共に東京にも拠点を持ち、日本全国の店舗などの設計を手掛けるvoid(ヴォイド)。「何もない」という意味を持つ社名は、何もないところから既存の環境を超えた新しい空間づくりを模索する姿勢を表している。手掛ける業種や業態は幅広く、レストランや和食店、物販店、ショールーム、オフィス、住宅など多岐にわたる。現在、スタッフは6名で、20代から30代が中心。代表の丹羽浩之さんは、若手の仕事の進め方について次のように話す。















 















































システムキッチンの製造や販売、輸入家具の販売を手掛ける「CUCINA」の名古屋ショールーム







 






























「入社して、初めの頃は先輩デザイナーに付いて資料集めや図面作成などサポートしながら、デザインの仕事の流れを覚えていきます。だいたい1年くらい経つと、1つのプロジェクトの担当になって、先輩や私のディレクションのもと、ひと通りの設計業務をできるようになります」















最終的には、一人で全ての業務をこなせるようになるのが目標だが、インターネットによって情報を得やすくなったことで、昔と今では若手の仕事への取り組み方に変化が見られるという。















「インターネットでの情報集めは便利ではありますが、それは自分で直接得た情報ではないということを意識しなければいけません。海外などに実際に行って、現地のデザインを知ることやグローバルな感覚を感じることでしか得られない情報がたくさんあります。ネットの情報をすぐ信用するのではなく、あくまでも参考として、本当の意味での情報は自ら体感して得ていってほしいと感じます」















その一方で、インターネットやCAD、情報技術が発達したことでしか得られないものを若手には期待するとも話す。「私達、デザイン業界では上の世代が若手だった頃からすると、今のCADや3次元ソフトの発達は目ざましいものがあります。その環境で建築やデザインを学んできた若い世代は、きっと新しい視点を持っているはずです。さまざまなことを体験して、自分の中にあるオリジナリティーあるセンスを発揮していってほしい」















これまで先人たちが築いてきたデザインの知識や手法を踏襲するだけでなく、既存のデザインの枠組みを超えた、今の若い世代でしか生み出せないデザインが醸成されることに期待したい。